ドアをコツコツとノックする。一呼吸置いてドアが自動的に開く。
「ご無沙汰しております、ネーレ殿。」
玄関からよく見える窓際のベッドに70過ぎの男が腰をかけていた。
3代目taro、ネーレである。
このタロという「司祭の位」は何代目と言えど血の繋がり等は全く無い。
タロである者が自由に後継者を決めて良いのである。

「何やら…頭の中が曇っとるようだの…」ネーレは察した様に言う。
そう言われ、やるせない気持ちになるタロ。
「え…ええ…。何から考えて良いのか…分からない状態なんです…」
ネーレは神妙な面持ちのタロを見て、フォッフォッフォと笑う。
「?」
「ワシの若い頃もそうじゃったよ。タロなんて地位が嫌になってくるじゃろ?」
「あ…あの…いえ。。」焦るタロ。
「しかし、お主はもうタロなんじゃ。それは曲げる事の出来ぬ事実…。」
「…はい…分かっています。。分かってはいるのですが…。」
「今のお主は…ほれ、誰だったかのぅ…あの…モジモジとした…」
「レオですか?」
「そうじゃ!アヤツみたいじゃ。フォッフォッフォ…!」
吹き出すタロ。
「ふふっ…そうですね…。レオに偉そうな事を言っておいて…
自分もそうなっていました…。(^-^)」
少し心が落ち着いたタロ、
ここにまで話題として出されるレオであった。。。