アンディを部屋に送り届けたセレン。
居間には先程とは違った張りつめた空気が流れていた。
「あの…お話というのはアンディの事なんですか?」おずおずと聞くセレン。
「ええ…。
セレンさん、魔法力の高い子供が
度々連れ去られているという事件をご存じですか?」
ここ最近、全世界から次々と子供が居なくなっているという事件が相次いでいる。
詳しく調べた所、全ての子供が普通の子供よりもはるかに魔法力が高かったという事が分かったのである。
「はい…それで…アンディが?」
「そうです…。アンディもここ数日、魔法力の上昇が桁外れなんです。」
神妙な面持ちになるセレンに、タロは何かを手渡す。
「あの…これは…?」
「Tシャツです。私が少し細工を施したモノなんですが…」