
「『キーツ』年は26!
『面白い事を探す旅』をしている最中あえなく腹が減り、どこかで飯を
食わせてくれないかと路頭に迷っていた所でございます!」
隊長に報告するかの様な口調でセレンに説明するキーツ。
その大声を聞きつけてタロがゆっくり玄関へ向かった。
「…キーツとやら、貴方は無一文で旅をしているんですか?
このご時世、無謀なように思えますが?」
諭すように言い放つ。キーツはその言葉に動揺せずに返答する。
「そのギリギリがいいんすよ!もしそれで餓死するんならそれまで!
それだけの男だったって事で潔く死ぬ!」
目を輝かせながら言うキーツに呆れ口調のタロ。
「…変わった若者だ…。頼みますがこの町で死ぬのはやめてくださいね。」
「あの、夕食にはまだ早いですけど、
少しなら昨日の残り等もありますから…、どうぞ?」
まるで子供みたいなキーツを疑うことなく家に迎え入れるセレン。
「やった!ご馳走になりや〜〜っす!」
ウッキウキの足取りで家の中に入るキーツであった。