しかし、その量に圧倒されずにがっつくキーツ。よほど腹が減っているようだ。
セレンはあまりに夢中で食べているキーツが面白くなってきて笑い出す。
「ふふふっ。。あなた、どちらの出身?いつから食べてないの?」
「むぐっ!?」
イキナリの質問に喉が詰まりそうになり、水を飲んで一息つく。
「えっと。。知らないと思うんだけど…『アテライ』って小さな町。
食べてないのは〜…昨日の朝からかな?」そう言うとまたがっつき出す。
キーツの出身を聞いて少し何かを思うタロ。
「アテライとは…。かなり遠い所から……」
「タロ様ご存じなんですか?私は失礼ですが何処だか分からなくて…」
「ガタン!」
セレンがそう言い終わったと同時に突然立ち上がるキーツ。
スプーンとフォークは持ったままでタロを見続けている。

「あ…アンタがタロさん!?アンタ、、、タロさん!?」
「そ…そうですが…。。何か?」
確信を持ったキーツの顔がほころぶ。
「すげーーーー!!!!!!!!!
大司祭タロに会えてる!!オレ、すげーー!!!」子供の様にはしゃぐキーツ。
会えた自分が凄いらしく、人の家にもかかわらず騒ぎまわる。
もっとこの男が分からなくなるタロであった…。