2012年11月10日

キーツの不安

「ターロさーん?」

少し暗く、埃っぽいサジタの家。
しかし、タロの座っている所は天井の窓からの光で眩しいくらいに照らされていた…

神々しく見えたキーツは少しビクっとした。
もう慣れてしまって忘れていた…、目の前にいるのが大司祭だったという事を…

「どうしました?キーツ。」しかし、タロはいつも通りに話しかけてきた。
安心したキーツは口をパクパクした後にようやく話す事が出来た。
「あの…サジタ…さんに武器の強化を頼んだら、
 ガンはタロさんにって言われたんで…。何か、やりにくいんすか?ガン。」

そう聞いて少し笑うタロ
「いえ、やりにくい事は無いんですよ。同じ術ですから。。」
「え!?じゃぁ、何で?」疑問だらけのキーツ。何が何だか分からない顔をする。
「サジタは、貴方の心を読んだ様です。何か思い詰めている事がありませんか?
 だからサジタは私の元へキーツをよこしたんでしょう。
 …その不安、貴方のニンフからも私に伝わっていますよ。」
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押し黙るキーツ。
一瞬にして沈黙の風が部屋中に広がった…
posted by taroc at 14:16| Comment(0) | TAROTSTORY | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月01日

武器

「の〜ぅ、ちょっと集まってくれんか〜」サジタが皆を集める。

「どうしたんですか?」集まったレオが聞く。
「今、食料や何かを積んでもらったけども〜、今度は武器じゃ。」

「武器?」全員が口にして問う。

「今、武器を持っとらん者は〜?」そう問われてセレンのみ手を挙げる。

「おお、セレンさんだけ?んじゃ、コレ。」と言ってセレンに大きな杖を渡す。
「すげー!コレ、先端は刃になってんぜ!」はしゃぐキーツ。
「ええ!?…じゃぁ、気をつけて使わなきゃ…」ビクビクして杖を握る。

「他に武器に自信の無いヤツはおらんか?今のうちに言っといたがええぞ。」
「え?言ったらどうなんの?」キーツが興味津々に聞く。
「そうじゃな…、武器を変えたくないなら…
 お主達が成長したら一緒に成長するとか、そういう術を施すとかな。」

「え!それ早く言ってよ!んじゃ、オレのやって。」
そう言ってガンを2丁出すキーツ。

「ほう、銃とな…。。。。。。。」キーツをチラッと見て考え込むサジタ。
「何だよ…何か問題あんの?」
「こりゃセンセーに頼んでくれ。次。」アッサリ却下なサジタ。隣にいたレオの剣に術を施し始めた。
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「ええ!?……ったく……頼りねーなー…」
ブツブツと愚痴りつつタロの居る家の中へ向かうキーツであった。
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2012年08月20日

指輪の約束

外では食料等を巨大イタチに戻ったコウとモリに積む作業が行われていた。
その片隅でチリとアルテが話をしている。

「ねぇ…。この指輪、アルテがしててくれる?」そういって手渡すチリ。
「え!?…でも…。この指輪はチリチリの指輪なんでしょ!?
 わたしよりセレンさんにしてもらった方がいいんじゃない??」慌てるアルテ。

「うん…。そう思ったんだけど、この指輪はめちゃうと
 魔法力が制御されちゃうでしょ?だからセレンもはめられないの。
 だからって持ってると何だか無くしちゃいそうだし…付けてて欲しいの。」
よほど大事な物なのだろうと理解したアルテは、受け取った指輪をはめた。
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「よっし!チリチリの大事な指輪だもんね!絶対なくさないから!」
そう言ってアルテは指輪をつけた手に握り拳を作り、チリに見せる。
「ありがと〜アルテ☆☆o(〃∇〃)o
 その指輪はね、お祖母様からお母様。そして私に受け継がれた物で、
 身を守ってくれるという指輪なの。…ちゃんとアルテを守るのよ(^v^)ノ」
アルテの手で光る指輪を撫でながらチリは微笑んだ。

「でぇぇぇ!!!やっぱりそんな大事な指輪だったんだー!!(((゚Д゚;;)」
後に引けなくなったアルテであった…。。
posted by taroc at 12:21| Comment(0) | TAROTSTORY | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする