少し暗く、埃っぽいサジタの家。
しかし、タロの座っている所は天井の窓からの光で眩しいくらいに照らされていた…
神々しく見えたキーツは少しビクっとした。
もう慣れてしまって忘れていた…、目の前にいるのが大司祭だったという事を…
「どうしました?キーツ。」しかし、タロはいつも通りに話しかけてきた。
安心したキーツは口をパクパクした後にようやく話す事が出来た。
「あの…サジタ…さんに武器の強化を頼んだら、
ガンはタロさんにって言われたんで…。何か、やりにくいんすか?ガン。」
そう聞いて少し笑うタロ
「いえ、やりにくい事は無いんですよ。同じ術ですから。。」
「え!?じゃぁ、何で?」疑問だらけのキーツ。何が何だか分からない顔をする。
「サジタは、貴方の心を読んだ様です。何か思い詰めている事がありませんか?
だからサジタは私の元へキーツをよこしたんでしょう。
…その不安、貴方のニンフからも私に伝わっていますよ。」
押し黙るキーツ。
一瞬にして沈黙の風が部屋中に広がった…